作者と、まえがきのようなもの
大竹菜々子
1999年生まれ。作家。大学では法学部に在籍。
「言葉屋さん」は文学部の親友に言われたのが嬉しくて使っている。
言葉屋のことば
ここでは、どうしてこんなお話をしているのか、ほわっと、半分はご想像にお任せする形で書いておくことにする。
だいぶ個人的な内容になってしまいそうだから、待ちぼうけの最中にでも、ナナメ読みしてほしい。
純さんたちには、だいぶ前に遭遇してはいた。そして、ある夏の終わりになんとなく電車を降りた新潟の街で、出会いを果たした。捕まえた。もしかすると、こっちが捕まったのかもしれないけれど。ぼんやりと白んでいた道に光も影も落ちて、形になってきた。
ここ数年、日毎にアタマが大人化していくぶん、心もあわてて先へ進めようとしてしまっていたように思う。強引に誰かを好きになろうとしたり。
強引に、というのは、ほんとうに好きな人がいる可能性に含みをもたせた言い方だと思うのだけど。実を言うと、最初に邂逅したときからいまだに、ある登場人物に心から惚れている。それはこちらにとってもあちらにとってもとても酷なことだし、自分自身はぱられるにほんの人ではないので、自分が出てくる創作物のようなことをするつもりはない。きっとただの初恋の延長だろうしね。
いつのまにか、大して思っていない「好き」も、気の抜けたソーダみたいな「かわいいねー」も、言えるようになってしまった。中学1年生のときは、誰かの特別な日に「きみは大好きな友だちだ!」と伝えるだけでもじもじしていたのに。
20なん年か。ここまで少ししゃべりすぎたんだと思う。
だからいま、言葉屋は言葉をしゃべりたくない。
でも、純さんたちのためなら、力をふり絞って自分の言葉をしゃべりたいと思っている。
そしてこの先、ときどきあなたの脳内でぱられるにほんを広げてもらえたなら、それはそれは最高だ。
この部分は好きに埋めていいよ、ということになったものの、上手な使い方がわからなかったので、主観的なお話をつらつらと書いてしまった。こんなところまでブラウザバックしなかった人には活字中毒の気がありそうだから、もしかすると話が合うかもしれない。いつか新潟で聖地巡礼ツアーでもしようね。お互いに、気が向いたらね。
2020年は思ってもみなかった事態が起こりすぎて、寝て見る夢を配っている場合ではないのかもしれないけれど、あなたの心に、やさしい仲間が加わることになると嬉しいです。
すべてのヒーローに感謝と助太刀をこめて。長いお話をはじめます。
2020年9月 言葉屋さん